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シーマスター |
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Ω シーマスターとは Seamaster
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精度の頂点を極め、その技術を腕時計へ展開したオメガが、次に目指したのは水やホコリに対する腕時計ならではの弱点の克服だった。オメガは1932年の「マリーン」(オメガ初のダイバーズ・ウォッチ)、そして、より高い防水性を求め第二次大戦中の英国軍用時計に結実。さらに1948年、そのモデルをベースに自動巻きムーヴメントを搭載した傑作時計「シーマスター」が誕生する。
自動巻きを採用したのには理由がある。水やホコリが浸入しやすいリューズは操作回数を減らすべきであり、自動巻きならそれが可能だ。この実用性が評価され、高性能な自動巻きムーヴメントを搭載するシーマスターは全世界で大ヒットし、第二次大戦後の主流である「防水自動巻き腕時計」のシンボルとなった。
その後、日付表示機能も搭載され、防水、自動巻き、日付という3つの新機能が完成。これによりシーマスターを筆頭として、スイス時計は世界市場を席巻し、戦前には拮抗する力を持っていたアメリカの時計製造業を圧倒し時計界の勢力地図を塗り替えた。ただ本格的な潜水作業には不向きなため、そこで強力な防水性を実現したのが1957年に登場した「シーマスター300」である。1960年代には英国海軍が採用。耐水圧200mを誇るこのモデルは、オメガにとって初の本格的ダイバーズ・ウォッチとなった。スクリュー式裏蓋とリューズ、回転ベゼルを備えるタフなスタイルは現代のダイバーズの原点でもある。
1967年にはプロフェッショナル向けと一般向けの中間に位置する「シーマスター120」を発売。スポーツマンに高い支持を得てベストセラーとなる。勿論プロ用ダイバーズ・ウォッチの開発も継続され、1970年に耐水圧600mの「シーマスター600m/2000ftプロフェッショナル」を発売する。このモデルは”プロロフ”(プロンジェ・プロフェスィヨネル・・職業潜水夫を意味するフランス語)と呼ばれた。このモデルの最大の特徴はステンレスのワンピース・ケースに文字盤側からムーブメントを装填するモノコック構造。頑強・高性能ゆえ深海油田探査「ヤヌス計画」に採用された。1971年には更に耐水性機能を強化した「シーマスターオートマチック100m/3300ftプロフェッショナル」が登場。これはシーマスター600と同様の構造を持つが、形状はよりスマートになった。
その後、オメガはダイバーズにクォーツ・ムーヴメントを採用。1980年代は日常生活での使用も考慮したドレッシーなモデルを中心に展開する。映画『グランブルー』のモデルにもなったマイヨールは1981年「シーマスター120m」(クォーツ)を着用し101mの素潜り記録を樹立した。
このように1970年代末から1980年代にかけて、ほぼ全てのシーマスターにクォーツ・ムーヴメントが採用されるが、1980年代半ばから機械式時計再評価の機運が生まれ、1993年ついに機械式ムーブメント搭載のシーマスターが復活。それが300m防水の3針デイト付きモデルとクロノグラフ。この2タイプのシーマスタープロフェッショナルは、オメガによる久々の本格ダイバーズだったが、「シーマスタークロノダイバー」は、水深300mでもプッシュボタン操作を保証する世界初のモデルとなった。
その後もシーマスターは進化を続け、1995年にはピアース・プロスナンが演じる5代目ジェームズ・ボンドの愛用品に選ばれ『ゴールデン・アイ』に登場。2006年には6代目ボンドのダニエル・クレイグが主演する『カジノ・ロワイヤル』でもボンドの愛用時計はシーマスタープロフェッショナルだった。2005年にはコーアクシャル・ムーブメント搭載の「シーマスタープロフェッショナル600m/2000ft”プラネットオーシャン”」が誕生。オメガのダイバーズ・ウォッチは、新たな次元への展開を見せている。
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